大部分の翻訳会社さんは、輸入品の販売はしません。また、大部分の商社さんは、翻訳やコンサル役務の提供はしません。
でも、弊社は、翻訳、コンサル、輸入資材の販売にあえてすべて取り組んでおります。
普通に考えると、焦点が定まらない散漫で非効率な経営をしているようにお見えでしょう。
実は、弊社が経営の理想にしているのは、人類が農業生産を始めて以来、大部分を占めてきた「小農場の経営形態」なのです。
このような経営ポリシーを掲げた背景にご興味がある方は、下をお読みいただければ幸いです。
弊社が理想とする「持続的な小農場」の経営モデル
「持続的な小農場」経営モデルとは?
上図でお示ししたとおり、有史以来、「持続的な小農場」は以下のような経営を成り立たせてきました。
- 信頼できるところから優良な原料資源を入手し、「発酵」を通じて土づくりを行い、田畑の生産力を維持・向上する
- 土づくりを行った田畑で優良な農産物を栽培し(生成)、その多くは農場自体を維持するために使う
- 生産した農産物の中で、自信を持って販売できるものを、価値を認めてくれる人に販売する(昇華)
- 販売した農産物で得られた収益は、主に自らの農場を発展させていくための原資に充てる
弊社がめざす経営モデル
以上をご覧になったうえで、弊社の経営モデルを下図に示します。
- 信頼できるお客様から翻訳に値する資料をお預かりし、翻訳役務を通じて弊社の技術力を維持・向上する(発酵)
- 翻訳で培った技術を基盤にコンサルや講師役務をお客様に提供し(生成)、多くは弊社を維持する運転資金とする
- コンサルや講師役務に携わり、自信を持ってお勧めできる農業資材を、価値を認めてくれる人に販売する(昇華)
- 農業資材の販売で得られた収益は、主に弊社を発展させていくための原資に充てる
いかがでしょうか。小農場と弊社の経営モデルは、ほとんど同じであることがご理解いただけるかと思います。
このような経営モデルを志向する理由は、まず弊社代表が農業現場の課題解決に31年間従事してきた経歴に由来しております。
でも、それだけではありません。弊社が考える現代社会の課題や、それを少しでも解消するための方策と深くかかわっているのです。
弊社が考える現代社会(特に農業者や農業関連産業)の課題
弊社が考える現代社会の課題を、特に日本農業とその関連産業(政府を含む)に焦点を当てて簡単に整理すると、以下のようになります。
- 現代社会が抱える最大の課題は、大資本・組織(上)の不適切な膨張、それによる従業員や下請け(下)の過度な分業化にある
- 「上」の従業員が創意工夫しようにも、過度の専門化(≒分業化)の弊害ゆえ、「上」の経営層が根拠なく押し付ける方針に意見を言えなくなる。また、「上」の経営層は概して意見を言わない人が就任しやすく、経営が硬直化しやすい
- 販売先や技術の供給源の多くを関連大企業や機関に頼っている「下」は、「上」の方針下で生き延びるために、自らの「下」を発見・養成し、さらなる「下」への「収奪」を前提とした経営構造を作らざるを得ない
- 上記は農業や関連産業も例外ではなく、大資本や機関(上)が自らの従業員のみならず、小事業者や農業者(下)に過度な分業化を強いている
- これらがあいまって、特に日本の場合、農産物や農業資材の生産性が低く、結果として農産物価格が高いため、結局は消費者の購買を阻害している(例えば、近年の日本国民1人当たり果実消費量は1日100g程度であり、これは朝鮮民主主義人民共和国の値より低い)
- 消費者が国内農産物を買わないため、農業者は労働強化(≒無理な大規模化か高品質化)により経営を維持するしかない。また、農業資材の購入や、それを利用した技術革新も外国と比べて消極的となる
- 農業者の生産資材購入が消極的である結果、農業関連企業の資材単価設定は高額かつ不透明である構造が継続する
- 以上により「上」は収益を得ているはずだが、さらなる「上」(多国籍巨大企業や政治家)に「収奪」されるため、体質強化が難しい
- また、以上の現実を「下」をはじめ「上」の経営層が変えようとしても、判断材料になる情報が不足し、具体的行動に結びつかない
以上を、先ほどお示しした図に当てはめると、おおむね下のようになります。
玄海農財通商がお客様にお約束したいこと
以上のように課題を整理すると、「全く救いようがない世界観だ!」と思われるお客さまも多いと思います。また、「『上』に何か恨みでもあるのか?」「『下』をバカにしているのか!?」と思われる方もいらっしゃるはずです。
弊社代表は、九州某県の農業系公務員として31年間働いてきました。それなりに大きな組織でしたが、先ほど挙げた「過度な分業化」、それに伴う「経営の硬直化」や「意見の不在」は歳月を経るごとにますます激しくなっていったと記憶しています。
しかし、自身が部下職員がいる立場になると、本人の意思とは関係なく、「機関」としてのふるまいをせざるを得なくなるのです。
また、日常的に接していた農業者や農業関連の中小事業者のみなさまも、自分の意思や理想を実現したくても、様々なしがらみの中で不可能である様子もずっと見てきました。
そう、上に挙げたことの大半は、個人の意思の問題ではなく、構造の問題なのです。だからと言って、その構造を打破しなければ現状維持がせいぜいであり、みなさまが思い描く「あるべき姿」に近づくことは困難です。
弊社が提供する役務や商品は、みなさまを悩ます構造の打破に少しでもお役に立てるように提供いたします。
そのための戒めとして、冒頭に挙げた「7つの誓い」をもう一度繰り返します。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。弊社の事業に少しでもご興味を持っていただいた方は、下のリンクをご覧ください。